イングリッシュローズコテージの10周年アニバーサリー/5月のK's Rose Garden
2002年5月のサイトオープンからEnglish Rose Cottage(イングリッシュローズコテージ)は10周年を迎えました。
イギリスが好きで、ノスタルジーを感じる心和ませてくれるアンティークテイストの優しい雑貨が好きで、お休みの日のお出かけはバラ園巡りや雑貨屋さん巡りがペコちゃんと私、二人とも好きで、イギリス旅行でもカントリーサイドのガーデン巡りと小さな田舎町のアンティークショップ巡り、可愛い雑貨屋さん巡りが好き。
当時、横浜のアパートの小さなヴェランダで育てていた薔薇たちのアルバムを作りたくて、薔薇たちの写真を毎日のように撮っていた一眼レフカメラの趣味の延長上で、薔薇たちと一緒に今の住まいに引っ越して、瓦礫のいっぱい詰まったカチカチの地面と向き合った”マイナスからのお庭造り”がきっかけとなってお庭の薔薇たちのサイトを作るようになり、それからまもなく特別な気負いもなく、気がつくと雑貨屋さんを始めてしまっていました。
今風のもの、流行のものにとらわれず、心をほわんと温かくしてくれるもの、ふんわり幸せな気持ちにしてくれるもの、イギリスのカントリーサイドをドライブしていてふと出合った小さなひなびたアンティークショップや村の小さな雑貨屋さんでふと出会えるノスタルジックなどこか懐かしい気持ちにしてくれるアイテムをイメージして、ひとつ、またひとつと、大切な家族の一員を迎えるように商品たちのひとつひとつをお迎えしてゆき、少しずつEnglish Rose Cottageの形ができてゆきました。
10年間の間には様々なことがあり、永遠に扱っていたかったフランス職人のハンドメイドのアイテムをフランスのメーカーの消滅により突然取り扱いを終了しなければならなくなったこと、オープン以来、長年にわたって大切に扱って定番として全シリーズでご紹介し続けてきたイギリスメーカーのアイテムを、日本代理店の経営方針、ポリシーへの不信感から、取り扱いを断念せざるを得ない決定をしたこと、またペコちゃんが内装を全て手がけて丹精こめて作った実店舗を、上階のアクシデントにより建物構造上の大幅工事が必要となり、やむなく他の場所を探して移転しなくてはいけなくなったこと(実店舗のお引越しについては昨年春のブログでご報告させていただきました。)etc...など振り返ってみると大変だったことも多々ありましたが、これまでにお取引をさせていただいてきた何十社ものメーカー、商社の担当者と気持ちの良いお付き合いを長年させていただけたこと、素敵な出会いをいただけたことにとても感謝しています。
心をキュンとしてくれる素敵なアイテムと出会えるとお客様にご紹介するのも力が入り、お客様に喜んでいただけると、またそれが頑張ってゆく新たなエネルギーとなり、イングリを応援してくださるたくさんのお得意様のお客様から励ましのメッセージや嬉しい到着メールを数え切れないほどたくさんいただいて、元気をいっぱいいただいてきたことを本当にありがたく思っています。
結婚前はアパレルの外資系商社で、また結婚後は長年にわたり、国際特許事務所で外国特許事務の堅実な仕事をしてきたので、雑貨屋さんのような仕入れや販売の仕事は雑貨屋さんでアルバイトした経験も全くなく、お庭の薔薇たちの写真をシーズン中、長年愛用してきた一眼レフで日課のように撮ってきたカメラ撮影に、初めて持ったソニーのコンパクトデジカメ、サイバーショットを使っての商品撮影が加わりました。
お客様に手に取ってご覧になっていただけない分、色々な角度から、まるで実際に手に取って見ていただいているかのように臨場感を持った写真が撮れるように、ひとつひとつの商品をお天気と相談しながら、一つの商品に対して自分で納得ができない時には、日を変えて何十枚ずつもの写真を撮り、撮影した膨大な写真の中からセレクトして、パソコンの横に商品を置いて、できるだけ実際と近い色合いとなるよう丁寧に時間をかけて画像加工をし、正直に丁寧に商品の説明を書き、心をこめて、サイトの一ページ一ページを作ってゆく努力を10年変わらずに払ってきました。
5年、10年、いえもっと長く、できることならいつまでも扱っていたいと思うような心惹かれるアイテムにたとえ出会うことができても、日本の雑貨業界はサイクルが短く、長く持ち続けるためには相当な量を確保して仕入れる必要がありますので、注文数にメーカー担当者が注文数が一桁間違っているのでは?とびっくり驚かれることもしばしば。世の中の多くのショップのように、年末在庫一掃セールで愛着をもって迎えた雑貨たちを追い出してしまうこと、セール商材と合わせて過剰在庫を福袋なるものに詰め込んでクリアランスして追い出してしまうといった仕方がどうしてもできず、たとえ人気がなくても、いつか好きな人が来てくれて迎えてくれるからそれまで待っていようねって、お迎えしてくれる人に出会えるのを待って、ひとつひとつをできるだけ大切に扱うよう努めてきました。 たぶん商売上手なやり方ではないと思います。プロパーで購入してくださったお客様のことを考えるとセールで一掃はしたくないけれど、今の世の中の時勢を考えると、時にはお小遣いをためて買えるように、今年はセレクトした一部のアイテムを、アニバーサリーサンクス価格でご提供させていただくことも考えています。
トップページも10年間変わらず、あえて手直しせずに最初に作ったままの状態でいます。
世の中の洗練されたスタイリッシュでお洒落なサイトと比べて、何て野暮ったくて素人っぽいのと自分でも思うけれど、古き良き時代のノスタルジーをコンセプトにしてきたイングリッシュローズコテージなので、かえって素人の手作り感が感じられる素朴なこのままでいたほうが、初心を忘れないためにもいいのかなと、あえて変えることをしませんでした。変えたくなかったのかもしれません。
何年かぶりに再びいらしてくださったお客様から「以前と同じピンクの壁紙とバラとレースフラワーの画像を見て、すごくほっとできて懐かしいおうちに帰ってきたような気持ちがしました。」と言っていただいて、それでよかったのかもしれない、と。
ショップを始めた時は国際特許事務所で外国特許事務の仕事をしていましたが、10年経た今は、ペコちゃん(夫 ・及川眞人)と、早い時期からスタッフに加わってくれたイズミータ(実妹・デルガード泉)とともに、English Rose Cottageはすっかり我が家の家業となっています。
数え切れないくらい大勢のお客様がサイトにいらしてくださって、お買い物をしてくださって、数え切れないくらい暖かなメッセージをいただいて、いつもたくさんの元気をいただいてきたことに改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
10年前にショップを始めた時は40代前半に入った頃でしたが、気持ちは10代の少女の頃と少しも変わっていないのに、年齢だけは自分でも信じられないのですが、気がつくと50代になってしまいました。
これからいつまで続けてゆけるでしょうか??
10周年を迎えて一区切りついた今年は、イギリスとフランスのよりアンティークテイストの娘サイトを新たに構築して、イングリから誕生させてゆきたいと思っていますので、どうぞこれからも応援してくださいね。
激動の世の中になりましたが、サイトに遊びにいらしてくださったお客様が、ひとときでもほっと心和むひとときを過ごしていただけるよう、思い入れを抱いて選んだアイテムの一つ一つを愛情をこめて取り扱い、毎日の仕事を初心を忘れずに、誠意を込めて丁寧にこなしてゆきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
心からの感謝を込めて
及川 薫(kao)
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最後に、K's Rose Gardenの5月の薔薇のお嬢さんたちに会ってくださいね。。
異常気象の昨今、薔薇たちも冷たい雹、容赦ない強風と強い雨に見舞われて、可哀想なスタートで迎えた今年のシーズンでした。
例年、5月の開花はアーチのピンクのお嬢さん、スパニッシュビューティー、そして、ふんわりティッシュのようなソフトな花びらと良い香りをもったオールドローズ、スーベニールドラマルメゾンから...。
西側の花壇一帯に根を伸ばして、毎年たくさんの実をつける小さなイチゴたち。
ペコちゃんは毎朝、収穫を楽しみにお庭にでています。
強風にあおられて何度も地面にたたきつけられては起き上がって健気に花穂を伸ばしてゆく大好きなラークスパーとジギタリスたちが薔薇たちの傍らのあちらこちらで。
雨が静かに振り続ける中、鉢仕立てのラ・フランスがゆっくりと頭をもたげて、1枚1枚の花びらを外側からほころばせ始めています。
アーチの出口で夏までの間、お庭をひっきりなしに吹きすさぶ強風の嵐に細いステムを飛ばされて大怪我を負ったラ・フランスのお嬢さんを冬の間に鉢上げしてヴェランダに避難させて、半年くらい養生。わずかに残った細い枝先に大きな蕾をつけました。
G.W.中に開いた大きな一番花↓に続いて、
↓新たな蕾たちがほころび始めたラ・フランス。
ラ・フランスは今から140年以上も前の1867年にモダンローズの第1号として作出されたハイブリッドティーの元祖といえる薔薇です。
ハイブリッドティーは交配によって作り出された大輪の薔薇の種類で、一輪だけでも存在感がある女王さまのような風格の大輪の薔薇です。私的には、現代のハイブリッドティーはオールドローズと比べて香りが薄く、花びらは厚く剣弁高芯咲きのとがった花びらとりりしく太い茎をもつ現代バラのハイブリッドティーはあまり好きではないのですが、初期の時代のハイブリッドティーは別格です。
ラ・フランスはアーリーハイブリッドティーの中で、ブルームーンと共に最も好きなモダンローズのひとつです。
大輪の剣弁高芯咲きでありながら、茎は細くたおやかで、かぐわしい素晴らしい香りと共に、そよ風に身をまかせていっぱいに巻いた花びらをゆっくりゆっくりほころばせています。
ゆっくりゆっくり時間をかけて、
びっしりと巻いたリバーシブルの純ピンクの花びらを優雅に1枚1枚ゆっくりとほころばせてゆくラ・フランス。
うなだれ気味に咲く姿は、たとえようもなく美しいです。
5月のある日ラ・フランス。朝から冷たい雨が降り続けて、すっかり気温が下がった中、巻いた花びらをゆっくりゆっくりマイペースに開かせて...。
夕方には中心部分まですっかり開いて。
細いステムの先の頭を重たげにうなだれて...。後姿のうなじ部分もとっても綺麗な美人さんです。
ピンクの濃淡のリバーシブルが愛らしさを一層増しています。
さらに翌日の朝、全ての花びらが綺麗にひらいて中心部にボタンアイを覗かせて...。
薔薇って何て幸せを与えてくれるのでしょう!
小さな一鉢のラ・フランスの蕾から散りゆくまで、そして懐かしい日へと想いを誘ってくれるラ・フランスの馥郁たる素晴らしい香りがヴェランダで過ごすひとときを幸せにしてくれます。
日がな一日、ヴェランダからお外を眺めるラ・フランスのお嬢さん。
薔薇の一番花の季節が終わりに近づき、梅雨に向かい、6月から7月に欠けてステムを伸ばした新しい小枝の先に2番花の蕾をつける薔薇のお嬢さんたちがしばしの小休止を迎えているK's Rose Gardenです。
** 英国雑貨&フレンチカントリー雑貨 English Rose Cottage(イングリッシュローズコテージ)**
** バラ柄のフレンチ雑貨&ロマンティックカントリー イングリッシュローズコテージ別館 **
** K's Rose Garden - イングリッシュガーデンに憧れて **
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